設備ジム設備管理の故障探し・しくみ図解・問題集

しくみ図解 ・ 電気・制御盤

自己保持回路のしくみ

ポンプの制御盤では、起動ボタンを「ちょん」と押して離しても、ポンプは回り続けます。ボタンを離しても電気が切れないのは、電磁接触器(MC)が自分の接点で、自分のコイルへの電気の道を作り続けているから。これを「自己保持」といいます。ボタンを押して、電気の流れ(オレンジ)を追ってみよう。

自己保持回路のシーケンス図 左の母線から、停止ボタン(b接点)、起動ボタン(a接点)とMCの自己保持接点(a接点)を並列にしたもの、サーマルリレーのb接点を通って、MCのコイルへつながる。下の段は、MCのa接点で運転表示灯、b接点で停止表示灯をつける。いちばん下は、MCの主接点でポンプを回す主回路。 R S 操作電源 AC100V 停止 b接点 起動 a接点 MC 自己保持 a接点 サーマル b接点 MC コイル MC a接点 運転 RL(赤) MC b接点 停止 GL(緑) 主回路(ポンプの動力) MC 主接点 動力電源 ポンプ

電気が流れている道(R → S)

この部品は何のため?(外したり変えたりすると、どうなるかを見られます)

部品の名前と役目

押すと、図の中のその部品が光ります。

予想してから確かめよう

問1 止まっているポンプの起動ボタンを押して、すぐ離した。どうなる?

問2 起動ボタンと停止ボタンを、同時に押したままにした。ポンプはどうなる?

問3 停止ボタンに、b接点(ふだん閉じている接点)を使うのはなぜ?

なぜこう作られているの?

なぜ起動ボタンと横並び(並列)に、MCの接点をつなぐの?

起動ボタンは、押している間しか閉じない。横に並べたMCの接点(自己保持接点)は、MCが入っている間ずっと閉じているので、ボタンを離しても電気の道が残る。ボタンを押し続けなくても回り続けるのは、このため。

なぜ停止ボタンは、b接点なの?

線が切れたり、接点が離れたりしたときに「止まる側」に倒れるようにするため。壊れたときに安全な側になる考え方を、フェイルセーフという。

なぜ停止ボタンを、起動ボタンより電源側に、一列(直列)でつなぐの?

停止ボタンが開くと、その先にある起動ボタンも自己保持接点も、全部に電気が行かなくなる。起動と停止を同時に押しても止まる(停止優先)。止めたいときに、確実に止められる。

なぜ停電のあと、ポンプは勝手に動き出さないの?

停電でMCのコイルの電気が切れると、自己保持接点も開いて、自己保持が解ける。電気が戻っても、起動ボタンを押すまでは止まったまま。急に動き出して人がけがをするのを防げる。

なぜサーマルの接点を、コイルの回路に入れるの?

モーターに電流が流れすぎると、サーマルが熱で動作してb接点を開き、MCを切る。モーターが焼けるのを防ぐ保護装置。原因を取らずにリセットすると、また動作する。

次はこれ

さわる前に

・盤内の測定や点検は、感電の危険があります。職場のルールと資格の範囲で、テスターのレンジを確認してから行ってください。

・サーマルリレーが動作したら、すぐにリセットせず、ポンプやモーターの過負荷の原因(詰まり、軸の重さ、電流値など)を確かめる。

・この図は練習用に単純化した例で、実際の盤の結線とは異なります。液面リレー(渇水の保護)、故障表示灯、ヒューズなどは省いています。実際の盤は、盤の展開接続図で確認してください。

ほかのしくみ図解